やはり、「僕は君に価しない」と繰り返して引き下がっていく。
男は大胆なようで、根本的なところで気の弱さがある。それは一種の優しさでもあるが、曖昧さでもある。
“我和你不相称。为了你的幸福我决定退出”说着这样的话时,男性其实是在想着和对方的女性分手的事。
这样说的证据就是,女方即使是说“我能满足你,因此如论何时我都愿意跟随你”,男方的态度也并没有改变。
依旧重复着,“我对于你没有价值”之类话然后作罢。
男性看起来很大胆,在本质之处还是有脆弱的地方。那样做也是一种温柔的表现、或者说是一种暧昧的表现。
男が女性と別れたいと思うとき、面と向かって、「君が嫌いになった」とは言わない。そういう台詞は、言うべきことでないと、幼い時から教えられている。
女性から去っていくとき、男は少しずつ疎遠になる。もし女性がそれを許さず、面と向かって問い詰めたとき、男は次のような台詞を吐く。
「君の幸せのために身を退く」
考えてみると、この言葉は便利であるとともに罪深い。
こういう耳障りのいい言葉で、男は逃げようとするが、同時に、この言葉には、もしかして、別れは美しいのではないかという錯覚を抱かせる。
愛し合ってなお別れる、そのときにも、この言葉は使われる。
男性和女性离别的时候,是不会面对面地说“讨厌你”之类话。这样的台词,是说不出口的,这也是儿时的教育所致。
要是女方这边主动提出离开,那么男方会渐渐变得疏远起来。要是女方当面问个究竟,男方下一步的台词就会说:“为了你的幸福我决定退出”。
仔细想想,这句话还真是便利同时也是罪恶深刻的一句话。
说这么一句刺耳却好用的话,男方就能脱逃了,同时,有这么一句话,或许还会使人抱有离别是美丽的这样的错觉。
相爱着但尚未离别,此时,就能用这句话了。
あの人は、わたしを愛していた。好きだったけど、ある事情で別れざるを得なかった。そう思うことで女性は納得し、別れを思い出の一頁にくり込むことができる。
男も、内心はともかく、そう信じ込もうとする。
誰でも、どうせ別れるなら美しく別れたい。互いに憎まず、憎まれず別れたいと思う。
それは男も女も同じである。
だが、真実愛し合った愛は、往々にしてきれいごとでは済まされない。互いに傷つき、罵り合い、痛め合って別れる。
そこにこそ、人間のはかりがたい、理屈どおりに行かない、おろかで哀しいところがある。
那个人,爱着我。虽然我也喜欢他(她),但因为某些原因分开了。这么想女方也可以接受,离别也就自然成了回忆里面的一页。
而对于男方而言,暂且不说内心的想法,也会像所说的那样相信着。
谁都想既然要分手了就美丽地分手吧。互相不要去憎恨,也不想被憎恨。
在这一点上,男女都是一样的。
但是,现实中彼此相爱着的爱情,往往不是那么完美的。互相伤害着,互相谩骂着,互相痛苦之后分手了。
正因如此,人们难以去权衡,口是心非地行动着,愚蠢而又可悲。
「君の幸せのために」などという言葉の中に、僕は真実を見ない。
そこには愛の軽薄さと、調子のよさしか感じられない。
本当に愛し合った末の別れなら、どんなに傷つけ、罵り合ってもいい。とことん傷つき、そこからもう一度這い上がればいい。
別れるとき、美しいか醜いか、スタイルなど考える必要はない。無理に美しい別れに拘泥することはない。
今無理に別れをつくろわなくても、やがて年月が、過去のベールを通して、美しく甘い別れに変えてくれるからだ。
“为了你的幸福”之类的话语中,我看不见真实。
在那句话中,只能让人感觉到对爱的轻浮,以及自我优越感。
要是真的相爱到最后而离别了,无论怎样去伤害也好,互相谩骂也好。到最后受伤了,就再一次的爬起来。
离别的时候,美丽也好,丑陋也好,风度什么的都没必要去考虑。不必勉qiáng自己拘泥于美丽的离别这类事。
如今即使无法敷衍而勉qiáng地离别了,在经历了岁月,我们透过过去的面纱,也能将其变成美丽而甜美的离别。
————完——
渡辺淳一:
小説家。直木賞選考委員。北海道上砂川町に生れる。札幌医科大学医学部卒。医学博士。中学時代から短歌に親しみ、のち医学と文学を志す。大学在学中同人雑誌「東しょう」に参加。卒業後昭和41年から整形外科講師をしていたが、心臓移植事件をさなかの43年に大学を辞めて上京、作家生活に入る。
母の死を医者の目で捉えた「死化粧」で新cháo同人雑誌賞を受け文壇にデビュー。テレビ?ラジァ∩ラマも執筆。45年運命の力に翻弄される人間のか弱さを描いた「光と影」で直木賞を受賞し、55年には「長崎ロシア遊女館」で吉川栄治文学賞を受賞。明治時代を中心とした歴史的伝説的なもの、男女の愛と性のものなど幅広く活躍。
ほかに、「小説?心臓移植」「ダブル?ハート」「女優」「花埋み」「ひらひらの雪」「うたかた」「ふたつの性」「空白の実験室」など数多くある。
「渡辺淳一作品集」(全23巻、文芸chūn秋)も刊行されている。
渡边淳一:
小说家。直木奖评选委员。北海道上砂川县生。札幌医科大学医学部毕业。医学博士。自中学时期起就对短歌有深厚感情,之后以医学或文学为志向。大学曾参加校刊「东しょう」的活动。毕业后,昭和41年起在整形外科任讲师,在“心脏移植事件”的最高cháo时,昭和43年从大学辞职并前往东京,开始了作家生活。
因以医生的眼光捕捉了母亲的死一事,并发表了「死化妆」,获得了新cháo同人杂志奖,从此在文坛出道。也曾为电视剧和广播剧执笔。45年以描写被命运之力玩弄的人们所表现出来的懦弱一文,「光与影」,获得了直木奖。55年所写「长崎Russiajì女馆」获吉川荣治文学奖。作者主要以明治时代为中心来描写历史传说、或是男女性爱一类的题材为主,广泛活跃于日本文坛。
其它作品有:「小说*心臓移植」「Double*Heart」「女优」「花埋み」「纷纷扬扬的雪」「うたかた」「两种性」「空白的实验室」等等。
著有「渡边淳一作品集」(全23卷,文艺chūn秋)。